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建築家・塚本由晴氏との対話をまとめた一冊『建築と言葉』(河出書房新社)が

刊行されました。

建築家の塚本由晴と、場所を移しながら行った四回の対話をまとめたものです。人間が心地よく生きていける空間とはどんな場所なのか。町と人間は互いにどのようにかかわり合っているのか。話すうちに、「詩」という概念が、一本の木のように枝葉を伸ばし始めました。人間を取り巻く空間と言葉について語り合った一冊の本です。(小池昌代)

 

 

NHK・BSハイビジョンで放送された番組が、
わたしが子どもだったころ 2』(ポプラ社)として書籍化されました。
東京・深川で育った子供時代について、本人が語ります。

 

 

文芸誌『デジタル野性時代』(角川書店)にて連載していた作品を大幅に

加筆・修正し、一冊にまとめた長編小説『厩橋』(角川書店)が刊行されました。

 

 

文芸誌『yomyom』(新潮社)に掲載されたエッセイを含むアンソロジー

作家の放課後』(新潮文庫)が刊行されました。

 

 

2012
03/04
Sunday

稲垣栄洋著『身近な野菜のなるほど観察録』(ちくま文庫)の解説を書いています。

 

 

写真家・作家、藤原新也氏の母親役でドラマ出演した番組が再放送されます。

 

■番組名:  「わたしが子どもだったころ〜藤原新也」
■放送日時: 2012年2月23日(木)午後6時~6時45分
■放送チャンネル: NHK・BSプレミアム

 

 

本日19時より、声と語りのダウンロードサイト「ラジオデイズ」の

USTREAM配信番組に出演します。

 

■番組名:『ラジオの街で逢いましょう』
■テーマ:ラジオの街のブックレビュー
■日時 :2月2日(木)19時〜20時30分(延長もあり)
■出演 :平川克美、浜菜みやこ、小池昌代
http://www.ustream.tv/channel/radiodays-jp

 

幻想短篇連作小説集「ことば汁」(中公文庫)が文庫化されました。

ひとつのことばからイメージを広げ、物語を紡いだ作品です。

 

 

東京・深川出身の文化人類学者、川田順造氏の著書『江戸=東京の下町から』(岩波書店)の出版を記念して開かれるシンポジウムに出演します。

 

『江戸=東京の下町から』出版記念シンポジウム
■日時   2012年1月14日(土)午後3時〜午後5時30分
■会場   森下文化センター・2階・多目的ホール
         * 〒135-0004 東京都江東区森下3-12-17(map
■出演者  川田順造(文化人類学者)/佐々木幹郎(詩人)

        陣内秀信(法政大学工学部建築学科教授)/小池昌代(詩人)
■参加費  無料(※定員250名)
■お申込  森下文化センター(※電話・窓口のみ受付)
      *  03-5600-8666

 

 

2011
12/15
Thursday

文芸誌「俳壇」にて連載を続けて来た作品の中から加筆・修正し、書き下ろしを加え、一冊にまとめた短編集『自虐蒲団』(本阿弥書店)が刊行されました。

 

 

 

『自虐蒲団』に寄せて

本書は、『言葉師たち』というタイトルの元、「俳壇」に1年連載したなかから選んで並べ直し、書きおろしを加えたものです。主人公は、腹話術師やコピーライター、詩人、詩人の妻、俳人、女優、詐欺師など。「俳壇」という舞台があったために、俳句に惹かれる女性の物語や季語に興味を持つ女の子の話なども入っています。みな、迷いのなかにいて、曲がり角に立っているところは、わたしと同じです。

詩を書き始めた当初、言葉はわたしに、よろこびを与えてくれる「物」(ぶつ)でした。わたしは物と戯れ、飽きもせずに遊ぶ子供でした。その子供は、わたしのなかでまだ死んでいません。だから今も、詩を書くことは、困ったことに楽しいのです。

しかしときどき、自分がやっていることは、「虚妄」ではないかと思うことがあります。「詩」の力をわたしは疑ったことはありません。が、長く言葉に携わるうちに、わたしには、詩を扱おうとする、(わたしを含めた)人間の手つきに、深い疑念が生じ、複雑な感情が渦巻き始めました。

言葉を誰よりも大切に扱う人間。なのに、言葉を祝ぎとしてでなく、呪いや中傷に使い、人を深く傷つける。わたしも傷を負ったことがありますが、わたしだって無数の誰かを傷つけてきたはずで、わたしが考えるべきは、負わせた傷のほう。それに比べれば、自分が負った傷など、砂糖のように甘いものです。わたしには、ときどきしげしげと自分の傷を見直すという癖がありますが、その態度は、大切にしまっておいた大事な宝石を宝箱から取り出すような具合で、どこか自慢気、ほくほく、うれしいという感じなのです。これにふさわしい言葉を、わたしは自虐の他に思いつきませんでした。

戦いのような表現の場で、さらに先へ進むためにも、わたしにはここを通過する必要があったようです。とはいえ、表題作を初め、すべての素材、骨組みは虚構です。

今回もまた、多くの方々のお力を借りました。この場をお借りして、お礼を申し上げます。連載時から、装画を描いていただいたのは前田達彦さんです。ありがとうございました。(小池昌代)