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小説『転生回遊女』(小学館文庫)が文庫化されました。解説:河瀨直美。

主人公は、十八歳の桂子。奔放な女の子で、母のあとを継ぎ、役者のたまごとして生きていきます。次々と男のひとを魅了しますが、彼女の魂は、とどまることを知らず、常にここでないどこかをめざしてタビ=旅に出るのです。樹木と通じ、樹木と心を通わせ、風のように。鳥のように。題名に桂子のすべてがあります。「転がり落ちながら、羽ばたきながら、自由自在に回遊する、現代の遊女の転生譚」。このあとも、書き続けていきたい女の子です。七十歳、八十歳の桂子に、わたし自身が逢いたいから。(小池昌代)